Open reel ensambleの和田永くんが
「エレクトロニコス・ファンタスティコス」という活動をしている。
エレクトロニコス・ファンタスティコスとは
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”これまでにブラウン管テレビやオープンリールデッキといった旧式の電気機器をオリジナルな楽器につくりかえてパフォーマンスしてきたアーティストの和田永が、あらゆる人を巻き込みながら古い家電を集めて新たな楽器を創作し、量産し、奏法を編み出し、徐々にオーケストラを形づくっていくプログラム。~初合奏遭遇篇~では、プログラムを協業するNICOS LABチームと共に、様々なアーティストをゲストに招き、新たに開発した楽器群による合奏を本邦初披露した。”
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「徐々にオーケストラを形づくっていくプログラム」
っていうのがいいね。
ワクワクする。
ゴールがワクワクするものであるっていうのは、
人を巻き込むのに必要不可欠な要素だよね。
エレクトロニコス・ファンタスティコスの映像
和田くんに初めて会ったのは、
2009年くらいだったかな?
open reel ensembleっていう
オープンリールテープレコーダー
を奏でるユニットを始めたばかりの頃だった。
文化庁メディア芸術祭だったと思うけど、
新国立美術館でライブパフォーマンスを
しているのを見て衝撃を受けた。
和田君はとっても楽しそうな明るい変態。
彼は、
役割を終えたモノを集めて楽器にする
という活動をしてきた。
ブラウン管テレビやオープンリールテープレコーダー
などを改造して楽器にしてきた。
彼のライブは何度か足を運んでいて、
地上デジタル放送が開始される瞬間に
行ったライブにも行ったりした。
ところで、地デジが始まった瞬間って覚えてる?
多分ほとんどの人が覚えてないんじゃないかな?
地デジが始まる瞬間。
つまりそれは、ブラウン管テレビがもう映らなくなる瞬間ってこと。
ブラウン菅テレビが死ぬ瞬間ってこと。
僕はこのイベントに行ったお陰で、
ブラウン菅テレビの死の瞬間を鮮明に覚えている。
そして死んだブラウン菅テレビを
楽器(ドラム)として、新たな命を吹き込み
和田くんが叩きまくるという素晴らしいパフォーマンスだった。
もう映らなくなったテレビの画面を叩いて、
こっち側から向こう側に押し返しているんですよ、
みたいなことを言っていた気がする。
あ、そう、そう。
そのライブ会場こそが、かつて『トレインスポッティング』
を観た渋谷のシネマライズの跡地だった!
(今はWWWというライブスペースになっている)
で。
もっと色々楽器にできるんじゃない?
という問いがあり、
エレクトロニコス・ファンタスティコスが始まった。
●ボーダーシャツァイザー/Border Shirtsizer
色々なボーダーシャツで音を奏でる。
ボーダーの線が多い方が高い音が出て、
少ないほど低い音がでる。
●洗濯機式ドラム/Washing Machine Type Drum
二層式洗濯機を使った楽器
●換気扇サイザー/Exhaust Fansizer
換気扇の羽の枚数の違いで
周波数の違いを作り出し、音程を作り出す。
●黒電話リズムマシン/Black Teleringer
などなど。
僕が彼の活動で好きなところは、
日の目を浴びないものや、
”終わったモノ”に光を当てるところだ。
これはマイノリティなモノに光を当てることだから。
僕は、素晴らしさが正しく理解されなかったり、
良いものを持っているのに知られていなかったり、
そういう人に光を当てて輝かせることが好きだ。
情熱を持っている。
そういう変人や、良いものを持った変わった人を
もっと世の中に知らしめるお手伝いをしたい。
和田君は、
マイノリティなモノや忘れ去られた終わったモノ
に光をあて、新しい解釈で輝かせる。
このセンスが抜群。
それも、説教臭くやるんじゃなくて、
かっこよく、面白く、人を巻き込みながら行う。
エンターテインメントに昇華する才能が凄い。
見せ方もものすごくうまいよね。
換気扇の影をステージ上に大きく写しだしたり、
オープンリールテープレコーダーに青いライトをつけてみたり。
オープンリールテープレコーダーを4台並べて
演奏するスタイルも、クラフトワークみたいでかっこいい。
しばらく見ないうちにますますパワーアップしている
和田永くんの活動、
エレクトロニコス・ファンタスティコス
に注目していきたい。
11月にはエレクトロニコス・ファンタスティコスのお祭り
もやるみたいだし、これには是非行きたいね。
今日の一曲はこちら
BRAUN TUBE JAZZ BAND
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