沈黙と余韻とコンパクトディスク

毎日Spotifyで音楽を聴いている。


自分で好きな曲を選んでプレイリスト
を作るのは最高に楽しいですね。


それにしてもSpotify。


6000万曲が聴き放題って、改めてすごい時代ですよね。
しかも無料で。うざい音声CMを省きたいのと
自由に使いたいので僕はプレミアムプランに
申し込んでいますが、それでも月1,000円のみ。


かつて毎月5万円以上はアナログレコードを
買っていた頃には想像もできなかったな、この状況。


こうなってくるとコンパクトディスクことCDは
完全にオワコン感がありますが、
最近良いところを再発見しました。


先日、ある人に東京事変の『命の帳』って
曲を薦められてSpotifyで聴いていました。


良い曲だなと思っていたら思わずアルバムを
一気に最後まで聴いてしまいました。


曲間をなくしているところやアルバムトータル
で46分っていう長さにしていることを考えても、
一気に最後まで聴けるようなデザインにしている
アルバムって感じ。


実際僕は46分くらいのアルバムが
一番リピートしちゃうんですよね。

ちょっと物足りなくて。
もう一回聴きたくなって。特にCDだと。


CDは曲が終わると止まるじゃないですか。
これがいいなと。


Spotifyだと、東京事変のアルバムの曲が
全部終わると勝手に誰かの曲をレコメンドして
流しちゃうんですよ。頼んでもないのに。


東京事変のアルバム聴いてるんだから、
終わったらスパッと止めてくれればいいのに。


終わることで沈黙と余韻が生まれ、
もう一回頭から聴きたくなるのに。


CDの良さって沈黙なんじゃないのか?


終わりがちゃんとある。
人間の生と一緒で
これが自然。


Spotifyは聴き放題。
インターネットは繋ぎ放題。
Netflixは見放題。


これは便利だし、今の時代のデフォルトだけど、
大事なものを失っている気がする。
特に音楽の聴き方に関しては。


今もSpotifyはくるりの『ばらの花』を
レコメンして勝手に流してくれています。


いや、これはとても大好きな曲だし、
自分のプレイリストにも入れるし、
良いチョイスだとは思うし、
AIグッジョブ!って感じだけどさ。


東京事変はどこに行ったんだよ?
あのアルバムの余韻はどこに行ったんだよ?

と。


アルバムの世界観の余韻を楽しむ
余地もなく勝手に曲流すなよ。


もうちょっと世界観に浸りたいんだよ。


やるせないこの気持ちはどうなるの?
この気持ちはシングルカットできないぜ。


まあ、Spotifyは曲が途切れなくて便利だし、
仕事や勉強のBGMにするには最強なんだけど。


便利さの裏側で失っているもの。
不便さの中にある大切なもの。

がある。


繋ぎっぱなし、流れっぱなし
ずっとオンの時代。

Keep on & on & on & on…..


そんな時代に大事なのは


オフ。
休止。
沈黙。




レコードほど音が良くもない、
いちいち取り出して入れないと聴けない、
部屋にあったらかさばるし、
iPhoneで聴くにはデータ変換しないといけない。


そんなオワコンのCDの存在意義は沈黙なんじゃないか。


それによってアルバムという一枚に込められた
世界観、ストーリーを味わうことができる。


一度終わること。
音が止まり沈黙が訪れること。



もう処分しようと思っていたけど。。。
オワコンのCDがちょっと愛おしくなった。

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