ポートランドの暮らしかた1

前回お話したように、札幌在住のクリエイター
暮らしかた冒険家のイベントに行って来ました。

そのイベントの一環として、ポートランド在住の夫妻を
招いて行われたトークショーが行われていて、
そこでポートランドの興味深い話が聞けたのでシェアしたいと思います。

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今回話してくれたのは、ポートランドの人気コーヒーロースターCourier Coffee
のオーナーJoelさんと、その奥さんであるフリーライターの瀬高早紀子さん夫妻。

ポートランドはここ数年、ずっと気になっていた街で、
雑誌やら本やらネットやらで見たり読んだりしたり、
僕が好きなカフェの店主がポートランド帰りだったりして、
その話を聞いたりする限り、きっと好きに違いないと思っていました。

実際のところ、どうなのか?
とても興味深く話しを聞きました。

ポートランドのキーワードは「DIY」「ローカル」「食」
などがありますが、今回は「ローカル」について。

今回話してくれたJoelもそうですが、
ポートランドに集まる人は
とてもローカル意識が強い人が多いそうです。

Joelに関しては生粋のポートランド人で、
生まれも育ちもポートランド。自転車で行ける範囲で
ほぼ全ての生活を行っています。

地元愛が凄まじいのですが、
日本のマイルドヤンキーとは
大きく違うと感じました。

「食の意識」と「買い物の基準」がものすごく高いです。

僕も、自分で無農薬野菜作りにチャレンジしたり、
なるべくオーガニック食品を選択したりしていますが、
そういう次元ではないですね。

例えば卵を買うとします。
その場合、

どこで誰が作った卵なのか?
鶏はエサは何を食べていたのか?
それを買うことによって地元にどんな影響を与えるのか?


こういうのを考えて買うのが

“ポートランド人のスタンダード”ということでした。

どこで誰が作った卵か、エサは何を食べて育った鶏の卵か、
これを意識して買うのは当たり前、という感覚です。

で、さらに一歩進んで、

「それを買うことによって地元にどんな影響を与えるのか?」

まで考えて買うということです。

例えば、ものすごく安心なエサを食べていて、
放し飼いの良い環境で育てられた鶏が産んだ卵であっても、
遠く離れた街で作られたものなら、彼らは買いません。

それを買っても地元に利益を還元しないからです。

ローカルの生産者をサポートしたい

という気持ちが、彼らはとても強いのです。

ポートランドは小さい生産者、自営業者が多いからで、
お互いサポートし合うのが当たり前なんだそうです。

“買い物をする理由は生産者をサポートするため”

という感覚が普通にあります。

そうすることによって、目の届く範囲で作られた美味しくて安心な
食べ物を手に入れられわけで、自分たちの利益に繋がります。

「ポートランド人のエンゲル係数は異常に高い!」

と瀬高さんが言っていました。

そりゃ、そうでしょうね。
個人商店みたいな店が多くて、
食の意識も高いわけですから。

工業製品みたいに安く大量生産した
食べ物はあまり誰も食べないわけですから。

ポートランド人は全部自給自足しようとはしていない。
買うものは買っている。ただし、しっかりした生産者から買っている。

という指摘も面白かったですね。

DIY精神が強く、何でも自分で作ってしまう人が多い
町だけど、必要なものはちゃんと買うんだよ、と。

(ただし、しっかりした生産者からだけね!)

こういう街に大手スーパーマーケットは
絶対入れないだろうなと思いました。

誰も買いませんからね。

買い物の基準が高く、各々が買う基準がしっかり持っている

これがポートランドの特徴のひとつだと思います。

やっぱりそこに住む人間がまちを作るんだよな、
と当たり前のことを感じました。

長くなったので続くはまた次回。

井ノ口

P.S. 今日の一曲はこれ。

Local Natives -『Breakers』

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