ロンドンで外人を経験する

ロンドンに留学した。

英語を勉強しに行ったというよりは、
ただただロンドンに住んでみたかったというのが理由だ。

ロンドンは僕のなかでは世界の音楽の中心地だったからだ。

僕の好きな音楽はイギリス産が多かった。

ビートルズ、クイーン、レディオヘッドなどのロックから、
ジャミロクワイやBrand new heaviesなどのアシッドジャズ、
エイフェックスツインやスクウェアプッシャーなどのWarp、
Roni sizeを筆頭にするドラムンベース、
Massive attack、underworld、Blur、Oasisまで。

好きな音楽、持っているCDの多くはイギリスの音楽だった。

その中心地、ロンドンに住んでみたかった。

いろいろなライブを見たかった。

それからロンドンで自分で作った曲でライブをしてみかかった。

世界の音楽の中心であるロンドンでライブをしたら、
イギリス人からどんなリアクションを受けるのか?
ウケるのか?それともブーイング?それともノーリアクション?

それを試してみたかった。

ただそれだけだ。

そんな不純な理由で(個人的には極めて純な理由だと思っているけど)
ロンドンに留学しに行ってしまったわけだけど、
ロンドンでは嫌がおうにもマイノリティを感じさせらた。

なにせ外人だ。しかも日本人。
人口の1%にも満たないマイノリティだ。

ほぼ言葉も通じず、ほぼ何を言っているのか
聞き取れないところからのスタートだ。

日本では当たり前に得ていたものが全くない。

銀行口座もない、
携帯も月決め契約できない(プリペイド携帯しか持てない)、
日本語が通じる人がいない(日本人以外)、
amazonで通販できない、
時給の高いアルバイトはできない、

などなど、ないないずくしだ。

英語ができないと当然給料の良い仕事もできない。

イギリス人に比べて圧倒的に弱い立場に立たされる。

当たり前だ。

イギリス人が当たり前の得ている権利も得られないことが多い。

当たり前だ。

ロンドンでマイノリティを味わった。

ロンドンで暮らしてみて、マイノリティの気持ちがまた少し分かった。

少なくとも”外人として外国に暮らす”ことがどういうことなのかはよく分かった。

日本にいる留学生、外国人もいろいろ大変だと思う。

彼らに対する見方が変わった。

ビザとか移民法とか、僕ら日本人が
全く知らないことで苦労していることがきっと沢山あるはずだ。

僕ら日本人が当たり前に享受していて、
彼らには手に出来ないものが沢山あるはずだ。

それが分かったらと日本にいる外国人に対して、
少し優しい目で見られるようになった。

井ノ口

今日の一曲はこれ

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