僕は自分で留学エージェントをやっている。
ロンドンに留学したい人のお手伝いだ。
学校を手配したり、ホームステイ先を手配したり、
飛行機を手配したりということをしている。
うちのお客さんにはクリエイティブな人が多い。
美容師、ミュージシャン、DJ、ファッションデザイナー、
ハットデザイナー、靴職人、インテリアスタイリスト、といった具合だ。
英語を勉強するのはもちろんだけど、
ロンドンで何かやりたいことがある人が多い。
留学の手配をしているというより、ロンドンでチャレンジしたり、
何かしたいことがある人を応援しているという感覚だ。
クリエイターやアーティストの支援をしている感覚が強い。
僕は日本人がもっと世界で評価されるべきだと思っている。
そう感じた理由はいろいろあるけど、
ひとつのきっかけはロンドンの美容室で働いたことだ。
日本人の美容師の技術は世界一だと思う。
しかも圧倒的に高いレベルで。
日本人の美容師はめちゃめちゃ練習している。
毎日仕事が終わった後、夜の11時くらいまで練習し、
休みは月に1回だけ。こういう美容師も多い。
髪が切れるようにになる前の
アシスタントの美容師は特に。
その是非はともかく、
ものすごい練習量をこなしていることは事実だ。
それだけ練習しているだけあって、
日本人美容師のスキルは世界的に見ても極めて高い。
一部の美容師ではなくて
”総じて”というところがポイントだ。
日本では、例えば”30分で頭全体にパーマが巻く”
ことができないと美容師免許が取れない。
こんなんじゃほとんどのイギリス人は
日本の美容師免許は取れないと思う。
つまり、当たり前のようにハイレベルの技術が要求されていて、
総じてレベルが高い。そうじゃないと美容師になれないからだ。
これは本当に凄いこと。
にも関わらず、ロンドンで高く評価されている
日本人美容師はとても少ない。
日本人美容師がもっと世界で高く評価されていい。
されるべきだ。
評価されていない理由のひとつは、
日本人が自分の強みを理解していないことと、
それを正しくアピールする術を持たないからだ。
もったいない。
日本人の謙虚さはとても美しいと思うし、
失くして欲しくない要素のひとつだ。
でも、
“良いものを作っていれば理解される”
というような態度だけでは世界では
なかなか正しく理解はされない。
異なる文化、歴史、背景を持つ国々の人々に
分かってもらうことを期待するのではなく、
積極的に正しく伝えていく努力が不可欠だ。
「察してもらう」のを期待するのは傲慢だと思う。
だって相手は日本人じゃないんだから。
空気を読んだり、察したりする文化は
日本以外にはなかなかないんだから。
伝えてなんぼの国がほとんどなんだから。
日本を、そして日本人をもっと
世界に売りたいと思っている。
日本の良いもの、面白い日本人をもっと
世界に広めていきたい思っている。
自分が架け橋となり、世界に繋いでいきたいし、
架け橋になれる日本人を増やしていきたいと思っている。
井ノ口
今日の一曲はこちら
simon & garfunkel 『Bridge Over Troubled Water』
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